さて、私たちは何を目的に生きているのでしょう?お金を最大限に稼いで貯めることでしょうか?多くの人はそうではないはずです。人生を如何に楽しく充実したものにするか、すなわち人生の喜びを最大化することなのではないでしょうか。そのためには死から目を背けてはいけません。人生の残りの時間を意識する必要があります。
子供には死ぬ前に与える
子供には全く資産を残さないのもどうかと思う人は、あらかじめ与えるべきお金を取り分けた後の、残りの「自分のためのお金」を生きているうちに上手く使い切るように計画しましょう。与える時期は子供が26〜35歳の時が最善らしいです。この時期になると分別のある行動が取れますし、まだ若いので自己投資にも使えます。
金、健康、時間を最適化する
まずは「金を稼ぐこと」と「大切な人との経験」をトレードオフの関係としてとらえ、自分の時間を最適化することを考えましょう。「今しかできない経験」への支出と、「将来のための貯蓄」の適切なバランスを取ることが重要です。一般的には「50-30-20」ルールが有用[50%は生活費、30%は人生を楽しむため(旅行、娯楽、外食など)、20%は貯蓄]ですが、貯蓄に回すべき割合は年代によって変わります。若く、これから数年間で収入の増加が十分に見込めるならば、貯蓄に回すのではなく、自己投資や経験に回すべきでしょう。また、経験を楽しむ能力が年齢によって変わってくるのなら、能力が高い時にたくさんのお金を使うことは理にかなっています。20歳の時に旅行を1歳先延ばしするのと、80歳の時に1年先延ばしするのとでは意味が違ってきます。80歳の人は待ったなしです。このことからも、健康で体力があるうちにお金を使い、若い頃から健康に投資する方が、人生全体の充実度は高まることでしょう。
やりたいことの「賞味期限」を意識
人生の末期を迎えた人が、死ぬ前に後悔するトップ2は何だと思いますか?1つは、「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きれば良かった」とのこと。自分の心の声に耳を傾けず、誰かに用意された人生を生きると後悔するということなようです。やりたいことがあったら、周りを気にせずやりなさいということなのでしょう。2つ目は、「働き過ぎなかったら良かった」。その結果、子供やパートナーと一緒に時間を過ごせなかったことを後悔します。自分のことを振り返っても、父親が家族と過ごすことはほぼなかったですね。時代を言えばそうなのでしょうけど、大人になってからも常に距離があるというか、わだかまりがあるというか・・・。本人は何も思ってなかったかもしれませんが、子にしたら「金出せばいいってもんじゃねーぞ」と言いたいですけど。
45〜60歳に資産を取り崩し始める
正直、今の日本でこの考えは怖すぎます。ただ、現資産をリストアップし、「減らすポイント」を明確にする、言い換えると純資産のピークを作るという考えは確かに有用です。なぜなら、60代や70代になっても純資産が増え続けているなら、ゼロで死ぬことにはならないからです。そして、資産のピークは「金額」ではなく「時期」で決めます。その指標となるのは、「生物学的年齢(健康状態が良い人ほど、あるいは資産が多い人ほど後に伸ばせる)」であり、これで考えると大半の人は45〜60歳の間に資産がピークとなるそうです。60歳を前に資産が減り始めるのは勇気がいりますね。
大胆にリスクをとる
デメリットが極めて小さく(あるいは、失うものが何もなく)、メリットが極めて大きい場合、大胆な行動を取らない方がリスクとなります。言葉で言うのは簡単ですが、なかなかできないことが多いですよね。ただ、この時行動を取らなければ「あの時思い切って行動していたら・・」と一生後悔することになるでしょう。結果がどうあれ、その経験から多くの思い出が得られると考えれば、将来の幸福度は十分上がりそうです。「安定しているが充実感が得られない道」ではなく、「確実性は低いが、経済的・心理的にはるかに大きなやりがいが感じられる大胆な道」を取りたいものです。