皆さんはFP(ファイナンシャル・プランナー)と聞いて何を思い浮かべますか?
「ファイナンシャルなんちゃらだっけ?」「金融関係の人?」「保険のおばちゃん?」
一般的には「お金のプロ」と呼ばれることもありますが、正確にはパーソナル・ファイナンス(家計)の設計を行う専門家です。簡単に言えば、お金の観点から人生設計を計画するのがお仕事です。
人生にはお金が付いて回りますが、FP業務はライフプランニング、金融資産運用、不動産、リスクと保険、税金、相続・事業承継、の6つの分野から成り立っています。
FPと一言でいっても実はレベルによって幾つかの段階がありますが、一般の人には区別が付きづらいでしょう。そもそも国家資格(以下、国家)と民間資格(以下、民間)に分かれていること自体、「え、そーなの?」って皆さん驚かれます。
いわゆる国家の方は3級→2級→1級と右に向かうほどランクが上になり、ファイナンシャル・プランニング技能士と呼ばれます。また民間ではAFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャルプランナー)とその上位資格であるCFP(サーティファイド・ファイナンシャルプランナー)が存在します。AFPは2級と同格レベルであり、CFPは国際資格でもあります。一般的な資格取得順でいくと、3級→2級→AFP→CFP(または1級)となります。
AFPは2級を取ることが前提条件で、それに加えて指定の講座を受講しレポート提出して合格すれば認定されます。CFPはAFPの人のみ受験資格があり、全6教科合格して、さらに認定の講習を受ける必要があります。試験は半年に1回、試験会場は全国で16ヶ所(2023年末現在)。科目は1個ずつ取ることもできるので、自分のペースで試験計画が立てられます。
1級は学科試験と実技試験があり、学科試験はきんざい(金融財政事情研究会)のみ、実技試験はきんざいと日本FP協会が行っています。CFP試験の6教科に合格していると学科試験は免除されますが、合格した年から次の次の年までの期間限定です。実技試験の合格率は割と高いことから、ついでに取っておいても良いのかもしれません。
個人的な見解でありますが、各階級の知識レベルは、3級:一般常識に毛が生えたぐらい、2級:履歴書にかけるぐらい、AFP:独立してやるほどではないが会社の経理や総務に重宝される、あるいは金融関係(銀行、保険会社、証券会社等)に勤めている人の半ば強制的な資格か。CFP:金融機関に勤めている人の中でも意識高い系の人、あるいは独立開業して相談業務や本を出版したりする人も出てくる。1級:CFPの人がさらに付加価値を付けるため?
実務においては民間の方がより実践に向いているかと思います。と言うのは、民間は2年おきに更新なので、一定数の単位数(AFP15単位、CFP30単位)を取らないといけない分、常に勉強し続けなければならないからです。反対に、国家は取ったら終わりなので、仕事で使わない限りブラッシュアップするインセンティブが働かないのです。
ただ、民間資格のAFPとCFPは維持費がかかるというデメリットがあります。入会金に1万円、年会費1万2千円、その他2年内に単位を取るための講習代金が、トータル数万円。正直、仕事で使わないならそこまで取らなくても、と思ってしまいますが・・・。
高校の授業でも金融教育が始まり、個人個人が金融リテラシー(経済的に自立し、より良い生活を送るために必要な”お金”に関する知識やスキルを活用できる力)をつけなければいけない時代になりました。3級は初歩的ですが、社会人が知っておくべき知識が満遍なく学べるので、とりあえず3級合格を目指してみるのも良いかと思いますよ。